日本の心理学の草分け、河合隼雄さんは、日本の神話の中で登場するが、全く実体のない、働きのしない、名前だけの登場する神様がいる事を見つけた人です。
それら「無為の神」と表現しています。
この神さまこそ、日本人の精神の「中空思想」と言っています。
思想と言われると、難しくきこえますが。
例えば、友人と二人で「今日のランチ何を食べる?」と相手に聞いて、友人が「何でもいいよ。」と答える。
次に現れる物事を、自然と受け入れている。自己のない状態みたいな、、。
これは、一神教になると、答えは二極化されやすいです。
「善か?」「悪か?」つねに、考え方の中間がない状態で、日本人には息苦しい考え方になります。
西洋医学にも当てはまります。
癌を悪と決めたら、徹底的に戦う治療です。
自分の正常な細胞も壊されます。
この動画の中で紹介される「牧牛図」は、日本人の仏教思想が表現されていて、とっても面白いと思いました。(動画は24分あります。)
10枚、連続的なつながった、お話の絵です。
8枚目は、何もない世界があります。
何も描かれていない絵は、たぶん意味があるから存在しているのだと思います。
私は、この何もない世界の絵を「他力」のようにも感じます。
分からない問題は、答えは出さないで、なくさないように、忘れないように、胸に抱きしめて置く。
そのうち、この病気の意味も分かるような気がします。